やさしい基板実装基礎マニュアル

基板実装の基礎から実装まで基板実装に関するあらする知識を解説!

高多層基板のための実装技術

OKIジェイアイピーは日本トップクラスの最先端実装ラインを5本所有しています。板厚10mmまでの実装が可能で、部品サイズも0402チップ~74mmまで対応でき、幅広いニーズにお応えします。

基板の厚さ

一般的なプリント基板の厚さは1.6mm程度であり、製品によって基板の厚さは異なり、スマートフォンやカメラなどの精密機器には1mm以下の薄い基板が使用されています。一方で、データ通信速度や処理速度の増加に伴い、高多層化された基板が増えており、スーパーコンピュータCPUのメモリボード、通信インフラ向けの基板になると5mm以上の厚さの基板や、半導体テスタでは7mm以上の厚さの基板まであります。

高多層基板に搭載される部品

大型基板には、大小様々な部品が混載して実装され、部品サイズは小さいもので0.4mmx0.2mmのチップ部品、大きいもので74mmサイズの部品が実装されます。特殊部品としてBGA(Ball Grid Array)やLGA(Land Grid Array)など大型の表面実装部品や、多ピンプレスフィットコネクタ、超多極アレイタイプコネクタなどの挿入部品があります。

高多層基板は板厚が厚く、層数も多いため、大小様々な大きさの電子部品が搭載された場合、電子部品間での加熱ばらつき、加熱不足、検査手法など様々な課題が発生します。ここでは高多層基板の実装における課題の例を紹介します。

多層基板内の温度バラツキの抑制

基板の厚さが増し、高多層化されると基板自体の熱容量が増加するとともに、加熱されにくくなります。
そのうえ、厚い基板に、大型の表面実装部品や放熱板付きのBGA(BallGridArray)や
CCGA(CeramicColumnGridArray)が搭載されると、はんだ融点まで加熱するのに多くの熱量が必要になります。このように高多層基板は熱容量が増すだけでなく、搭載される部品種によって均一加熱の難易度は上がります、そのため、実装品質を安定させるためには特殊な実装技術が求められます。

挿入部品のはんだ付け技術

挿入実装は、プリント配線板のスルーホールやビアとよばれる貫通穴に電子部品の電極リード端子を挿入し、はんだ付けする手法です。はんだ付けには、はんだごてを用いて手作業で行う場合や、スルーホールに溶融した自動ではんだ付けを行うフロー実装があります。基板の熱容量の増加に伴い、はんだごてではスルーホール内へはんだを十分に充填できません。一方で、はんだごて温度を高くするとスルーホールへの局所加熱となり、スルーホール自体の断線やスルーホールと内層パターンの剥離、断線などが生じてしまいます。

そのため、加熱による基板の損傷を発生させず高品質に挿入部品を実装する技術が求められます。

挿入部品の検査技術

挿入部品の端子は、基板の厚さよりも短いと端子が基板からはみ出さず目視検査は困難です。そのため、目視以外で実装品質を確認する検査技術が求められます。

当社の最先端実装ラインでは、これらの技術課題を克服し、基板厚10mmまでの実装が可能です。

リフロー工程では、基板内の温度ばらつきを5℃以内に抑えるための12ゾーンの温度設定が可能であるリフロー炉を導入しました。これにより、さまざまな基板仕様に合わせた最適プロファイルを設定しています。

高多層基板に対するスルーホール内への十分なはんだ充填を行うために新技術となる静圧式半田フロー装置を導入しました。

このように、当社ではお客様の製品仕様に合わせて、基板厚さ10mmまでの高多層基板への実装や検査が可能です。高多層基板実装でお困りの際には、ぜひ当社までご連絡ください。

高多層基板の実装についてはOKIジェイアイピーにご連絡ください。
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